安全運転や接客と同じくらい、タクシー運転手にとって「お客様から知り得た情報を外部に漏らさないこと」も重要です。
一般の方からVIP、あるいは芸能人の方などさまざまなお客様を送迎するタクシーは、徹底した守秘義務が求められます。
今回は、タクシー運転手にとっての守秘義務について考えてみましょう。
そもそも守秘義務とは?
守秘義務とは、業務上で知り得た個人情報や機密情報などを、必要のない場面で漏らさないことです。
公務員や教員は公務員法により、また医師や介護士などは、刑法あるいは介護福祉士法で守秘義務が定められています。
会社員の場合、就業規則に守秘義務が定められていることが一般的です。
タクシー運転手はお客様の会話から、個人情報や企業機密などを知りうるケースがあります。
重要な情報を漏らしてしまうと、当事者の運転手だけでなく、会社じたいの信頼をも失いかねません。
タクシー運転手に課される守秘義務
タクシー運転手に課される守秘義務について、具体的に見ていきましょう。
個人情報
氏名や生年月日、住所など特定の個人を識別できる情報を指します。
とくにタクシー運転手は、お客様のご自宅まで送迎することも少なくありません。
このようなお客様の個人情報を社外に漏らしてしまうと、個人情報の漏えいとなります。
営業秘密
営業秘密とは、商品やサービスなど、企業が世間に開示していない秘密です。
タクシーの車内では、お客様が会社では公にできない会話を車内から電話したり、取引先との打ち合わせに使ったりすることも珍しくありません。
万が一、社内で知りえた営業秘密を外部に漏らすようなことがあれば、損害賠償への発展も考えられます。
インサイダー情報
インサイダー情報とは、企業の未公開情報のことです。
またインサイダー情報による取引を行うことを、インサイダー取引と呼びます。
インサイダー取引は金融商品取引法で禁止されており、違反すれば刑事罰の対象となります。
まとめ
SNSの普及により、さまざまな情報がネット上に漏えいすることも多くなってきました。
守秘義務の宣誓や署名という形をとっても、最終的には自分自身で管理するしかありません。
お客様の信頼を裏切らないためにも、いま一度、守秘義務の徹底について考えてみましょう。