東京都内のタクシーの初乗り料金は2017年1月30日から410円へ引き下げられました。
近くの駅まで、病院までといった「ちょい乗り」がしやすくなったというお客様の声も聴かれますが、なんとこのたび東京都内で「0円タクシー」が運行を開始しています。
「0円タクシー」とは
DeNA(ディー・エヌ・エー)はタクシー事業者と連携して、タクシーの新しい移動体験を実現する「PROJECT MOV」を発表しました。「MOV(モブ)」と名付けられた新サービスの第一弾が「0円タクシー」で、乗客に対し契約スポンサーとMOVの広告宣伝を行うことで乗車料金0円を実現しています。
今回は日清の「どん兵衛」がスポンサーとなっており、東京都渋谷区、新宿区、港区、中央区、千代田区等の都心部を配車可能エリアに設定しています。運行期間は12月5日~31日で、26~31日の期間には、乗客に「日清のどん兵衛 天ぷらそば」をプレゼントする企画もあるようです。
0円タクシーを利用したい場合は、DeNAのタクシー配車アプリ「MOV」から配車を依頼します。
0円タクシーが登場した背景
タクシー会社にはあまり儲けがなさそうな「0円タクシー」ですが、利用者の方がSNSに投稿するなどしてネットで拡散、話題となったことで配車アプリ「MOV」のダウンロード数も伸びているようです。
0円タクシー登場の背景には、スマホのタクシー配車アプリの競争があると言われています。タクシー配車アプリには代表的なものに「JapanTaxi」「LINEタクシー」「Uber」「フルクル」があり、近々ソニーが「みんなのタクシー」というアプリで参入してくることが発表されています。
なぜタクシー配車アプリの競争が熱を帯びているかというと、今やタクシーは「アプリで呼ぶもの」という常識が確立されつつあるからです。たとえば中国や韓国からの訪日客は、慣れない日本語でタクシー会社に電話するよりも、タクシー配車アプリを利用します。
スマホに慣れ親しんだ日本の若い世代の人たちも、「タクシーはアプリで呼んだほうが便利」と考える人が増えています。
タクシー移動中のサービスだけが他社との差別化でなくなる時代
タクシーは運賃で他社と差別化することはできないため、「お客様にいかにして快適なサービスを提供できるか」というところが競争のポイントとなっています。
これからはタクシー移動中のサービスだけでなく、タクシー配車アプリの利便性やお得感、さらにはまた別の部分で競合と差別化が図られていくことでしょう。